こんにちは、
TOCORONの田所浩樹です!
先日の空調講座のお話の続きです
【空調講座:後編】
東京とフランス(ボルドー)の温湿度の比較から、比エンタルピーを紐解いていきます!
空気の中にお寿司2貫とタイトルがなんのこっちゃ?と思われますが
仲間からは面白いと言われます
高気密高断熱と湿度についての前提知識となりますので
楽しみながら読んでください(^^)
まず「おさらい」と「つまるところ」ですが
【絶対湿度と比エンタルピー】
①絶対湿度ってなんだ?
A.目に見えない水蒸気が空気に溶け込んでいる量
②比エンタルピーってなんだ?
A.空気そのものが持つエネルギー量
では講義の内容に(^^)/
【自立循環型住宅研究会関東ゼミ2024第一回】
「空調の基礎を極める講座(基礎編)」
講師:ミライの住宅 森こうすけさん
上の湿り空気線図という図を使いながら、講義は進められていきますが
今回のブログでは一般の方へも少し分かりやすくグラフ化しました
細かく伝えたい事は画像になっていますので、そこまで長くなりません!
さら〜っと流していきますので、お気をラクに
もっと詳しくお聞きされたい方は是非会いに来てください(^^)
今回は「絶対湿度」と「エンタルピー」を何となく分かって頂ければ幸いです!
【東京とフランスの温湿度比較】
東京とフランス(ボルドー)の月ごとの平均温湿度を使って
①温度ー②相対湿度ー③絶対湿度ー④比エンタルピーの順番で比較していきます
頑張ってエンタルピーまでグラフ化したのです(誰か褒めて下さい)
パソコンで見た方が良いかもしれませんが(^^;)笑
【①温度の比較】8月
「東京8月:平均29.2℃」
日本の夏って暑いですよね(;;)
「フランス8月:21.4℃」
東京の5~6月な感じですね、
温度はちょうど良さそうですね
【②相対湿度の比較】
※相対湿度は温度が無いと比較できない為、一緒にグラフ化しています
「東京:6~9月まで80%前後」
平均でそんなに高いんですね(;;)
まさに高温多湿
「フランス:年間通して60%前後」
一年中ほぼ同じはビックリです
冬の11~2月以外は定温低湿?
1年中一定湿度といっても、相対湿度だけでは体感と合わない時期もあります
ちなみに、慣れてくると温度と相対湿度でだいたい水分量を把握する事ができます
【絶対湿度ってなに?】
ここから一般的に馴染みの少ない「絶対湿度」ですが
この絶対湿度とは簡単に言うと、
A.目に見えない水蒸気が空気に溶け込んでいる量
(1立方(約0.83kg)当たりの空気に含まれる水分量です)
①1㎥(0.83kg)の空気に、10g水分が含まれていると「10g/㎡」という単位になります
②1kg(1.2㎥)の空気に、10g水分が含まれていると「10g/kg」という単位になります
※それぞれの逆数ですね
(1kg=1.2㎥)≒(0.83㎏=1㎥)
湿り空気線図上では、②の「00g/kg」が単位となっているので、空調関係はこちらを使う事が多いです
今回の講義では絶対湿度の快適ゾーンの範囲を
絶対湿度5g/kg~13g/kg位としていました
色んな会社さんも参加しているので、広めのレンジになっていました
私もそのくらいです過ごせてしまいますが
妻AIKOさんを見ていると10g/kg~13g/kg位かなぁと思います
女性の場合は肌の乾燥が気になるので、少し高めの方が良いみたいです
男性は油分が多いので低めでも、なんとかなるのですかね
料理と一緒で個人それぞれ好みや気分による、さじ加減みたいな感覚ですね笑
水分量の例えですが
10g/kgは
空気1kg(1.2㎥)あたり
小さじ2杯の水分が含まれます
※小さじ1杯は5gです
思ったより多い感じがしませんか?
それでは
【③絶対湿度の比較】
「東京8月:20.03g」
ハイボール濃いめです
東京の場合は、6~9月は除湿
12月~2月は加湿しないと快適ゾーンに入らないんです
「フランス8月:9.69g」
もう、このままでOK!!
夏の除湿は不要、12~2月は加湿が必要となります
ここ、重要なんです
「夏の除湿が不要」
「夏の温度もちょうど良い」
フランスは冷房や除湿の必要性が低いんです!
うらやましい。
なんとなく絶対湿度を分かって頂けましたか?
それでは難題の比エンタルピーです
【④比エンタルピー、その前に】
私も体感として分からなかった比エンタルピーの比較となります
「空気中のエネルギー量とはなんぞや?」というお話です
そもそも、エネルギーって?
今回は、KJ(キロジュール)で考えます
ピンとこない?私もです!
まずKJ(キロジュール)についてですが色々な考え方があります
科学的に考えるならば、
例①:1KJは、1kgの水を0.24℃上昇させるエネルギー
例②:1KJは、1ニュートンで1m動かすエネルギー
例③:1Jは0.24cal、1KJは240cal
食べ物に例えるならば(こじつけ)
案①:一杯分のご飯=150g=240kcal
案②:1KJは、一杯分のご飯/1000=ご飯0.15g
案③:0.15g=お米7粒(1粒0.0215g)
今回は50KJがちょうどいい、お米に換算してみます
案④:50KJ=お米35g
案⑤:お寿司2貫=40g
むりやり食べ物に変換しました
「ご飯」理論が合っているか心配ですが、、、
1kgの空気の中に、2握りのごはん分のカロリーとは
これまた水分と同じく、思っていたよりも多い気がしました
(※間違っていた場合は後日訂正します)
なんとなく空気中のエネルギー量が分かった(?)ところで
【快適なエンタルピーって?】
講義中にエンタルピーの快適ゾーンという指標を得ることができ
快適ゾーン:30kJ/kg~60kJ/kgくらいとします
※ただし年齢、性別、代謝量によって変わります
そのうえで比較してみましょう
【④比エンタルピーの比較】8月
「東京8月:80.68KJ/kg(DA)」
昨日の宇都宮でも80KJ近くあるので暑さがわかります
快適そうな5月と10月が快適指標のとおり40前半ですね
「フランス8月:46.24KJ/kg(DA)」
これは、、、快適そうな気がしてきました!
11月~3月がちょっと寒いかな?
8月の東京とフランスの差は、35KJでした
【東京とフランス、どっちが快適?】
比エンタルピーの比較から考えてですが
私の主観(40~50が快適)ですが年間通してみると
夏:6・7・8・9月はフランスの圧勝
春秋:3・4・5・10・11月は東京の勝利
冬:1・2・12月は引き分け
東京は「5勝4敗3分け」といったところでしょうか
勝利数では東京が勝っていますが、夏場所は惨敗です
勝ち負けではないのですが、例えとしてご理解下さいね(^^)
【夏場所の弱点を克服する為に】
できることは、
「室内に籠ってエアコンで涼む」
「室外では空調服を着て汗を乾かす」
この2つ、実は「似て非なるもの」です
東京とフランスのこの「35KJのエンタルピーの差」を埋める為には
空気1kg当たり、約35KJの何かしらのエネルギー移動をさせないとならないと言うお話です
大き目のお寿司1貫分です(しつこい?)
そうです、前回のブログでお話したエアコンと除湿量のお話につながります
エアコンに、電気という名のお寿司をご馳走し働いて頂くことになります
エアコンの働きは前回の復習になりますが、
【エアコンの実測と計算による「あれやこれ」】
●エアコンの除湿能力の計算方法
A.①エアコンの風量を立方体として考えると分かり易い
※面積(開口)×高さ(風速)=体積(風量)
②そして、出入口の絶対湿度差を体積に掛ける
※体積×絶対湿度の差=除湿された水の量
●比エンタルピー差からエアコン容量の計算
A.AC出入口の比エンタルピー差×風量=仕事量(kw)
この出てきた水分はこの後どうなりますでしょうか?
ここでも蒸発という名でエネルギーの移動が行われています
水分だけで考えますが、会議室内にあった空気中の水分が
エアコンの働きで結露して水となり、室外に排出され
最後は蒸発して空気に戻る、、、、、
という事は、空調服で考えると、、、、、
この辺のお話はまた今度ですね(^^;)
【絶対湿度とエンタルピー】
さら~っと流してご説明しましたが、なんとなく分かりましたでしょうか
しつこいようですが、ぜひココだけは覚えてってくださいm(_ _)m
①絶対湿度ってなんだ?
A.目に見えない水蒸気が空気に溶け込んでいる量
②比エンタルピーってなんだ?
A.空気そのものが持つエネルギー量
今回の講義の冒頭でも、「ここだけでも!」の2点の重要ポイントです
私は正直言いますと3回目の受講だったのですが
「基礎の基礎」というだけあって本当にわかりやすく勉強になりました
今後のお施主様へのご説明の参考にもなりましたし
自分なりに整理できたので、色んな方へも伝える事ができます
資料の使用許可も講義冒頭で許可を頂いたり感謝しきれません
ご講義いただいた森さん、事務局の吉田さん・佐々木さん
今回も本当にありがとうございました!
それではまた次回~(^^)/
"いつの日も、健康で豊かな日々へ"
TOCORONでは「心から健やかになれる、豊さに囲まれた暮らし」という願いを込めた家づくりをしています。
栃木県宇都宮市で、高気密高断熱・全館空調を基本仕様として注文住宅・リノベーションをしている自社設計・自社施工の工務店です。耐震等級3(許容応力度計算)・HEAT20 G2 UA値0.34以下・C値0.3以下・自然素材にこだわりを持った家づくりをしています。
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