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隠すのがもったいないモノ

更新日:2月15日


こんにちわ、TOCORONの田所浩樹です!

本日は宇都宮市「江曽島の家」、木工事・断熱工事・電気工事の全体調整でした(^^)


と言いましても、断熱気密の性能を確保しながら、無駄のない動きができるよう、職人さん同士が打合せし施工頂けているので、私は写真撮ったり動き回ったり電話したりと、お邪魔している感マンサイでしたが。



今回の「江曽島の家」は屋根もダブル断熱仕様となっており、「TOCORONの家」の大きな特徴でもある「屋根の構造面材」の無垢材を隠す工法となります。


タイトルの「隠すのがもったいないモノ」それが屋根面に貼ってある構造面材、写真右上に見える「八溝山の杉板」です。


断熱職人さんからは「この板、隠すのもったいないなぁ」との声もあるのですが、、、。そして私も同じコトを思うのですが、、、。そして「TOCORONの自邸」も同じく隠しているのですが、、、。


これにはちゃんとした理由と経緯があるのです!


と、想いをまとめてみました。


※文章がとても長いです。

写真・注脚だけも見て頂けると嬉しいです。


(※TOCORONの家は、壁がダブル断熱・屋根は外張り断熱の標準仕様でも、HEAT20のG2グレードに対応しております。その上で屋根もダブル断熱で施工するとG3グレード近くまでUa値が低くなります。※建物形状によりG3が達成可能です)


もっと暖かい家へ

― 高性能住宅からの建替え ―



「江曽島の家」のお施主様がここまで住宅性能にこだわりを持たれているのは「冬の寒くなる前までに引越したい」と言われる程、寒いのが苦手という事もあります。その上で高性能住宅からの建替えなので、既に30年以上も快適なお住まいで生活されておりました。


「温度環境の快適な家」に住みますと室内温度が安定しているので、身体が「快適な温湿度の環境」に慣れてしまい、より快適な住環境を求めるようになっていきます。


良く言えば「感度が高くなる」・悪く言えば「敏感になる」と常日頃からTOCORONは経験しており、ご家族それぞれの温度・湿度の好みもはっきりしていたため、「快適な家」からの建替えの場合「もっと快適な家」を求められるコトは自然な流れだと思います。


ご自宅に初めてお伺いした時に拝見した、高性能サッシや木製玄関ドア、太陽光熱利用の空調システム、そして自然素材の多さに驚いたことを思い出し、そのときに30年前の先人のお仕事を見て「立替えはしなくても良いのでは?」と正直にお話した記憶があります。


しかしながら「生活スタイルの変化」から、「平屋」に住みたいと建替えをご検討されておりました。


(※建物解体時の写真です。このシルバーシートですが、TOCORONの標準仕様の防湿シートを採用されていました。30年経ってもガッシリ。)


お施主様と初めてお会いして2年半以上が経ち、その間も他社の建築会社さんも含め色々な高性能住宅を見学・体感されているご様子でした。


TOCORONもこの2年半は断熱気密の向上の為、実験と検証を続けておりましたので、お施主様には「TOCORONの自邸」を計画段階の状況も建築中・完成までも一貫してご見学頂き、「自邸と同じ仕様で」と決まりました。



「TOCORONの自邸」の仕様は、「ドイツの住宅性能」を目指して超高性能の建築をしておりました。(Ua値0.26、C値0.1の高気密・高断熱仕様)一般のお客様からのご採用はまだまだ先であろうと思っておりましたので、とても嬉しいコトです。


(※写真の白シートはTOCORON内部気密用のドイツの可変調湿気密シート。外壁側には解体写真に写っている銀色の防湿気密シートを施工しています。※option:ダブル気密仕様)


隠すのもったいないモノ

― 八溝山の杉板 ―

話はタイトルに戻りまして、「TOCORONの勾配天井」のお話です。


「屋根部の構造面材」は見て分かるように無垢材の「フシ」が多少ありますが、素敵な杉板です。標準仕様では勾配天井部はこの仕上げとなります。


(この杉板材を勾配天井の仕上げにする場合は、見えるトコロに節の少ない材を整えて施工しています。屋根の断熱施工時なので内側の屋根断熱の有無が分かり易い写真です)


屋根面の断熱性能向上の為に内断熱材を施工すると、せっかくの無垢材が隠れてしまい「もったいない」気もしますが、ムダに隠すコトと、ワケがあって隠すコトには大きな差があります。


「節アリ」が好きな人、「節ナシ」が好きな人、特に気にならない人。夫婦で好みが分かれる事も多く、好みがまったく一緒というのは稀なのではないでしょうか。


「江曽島の家」のご夫婦も、「旦那様は節アリが好き」「奥様は節ナシが好き」とお好みが分かれておりましたが、インテリアデザイン面は奥様に委ねられて、下の写真と同じ「節無しの天井仕上げ」をご採用頂きました。


(※実例写真:「節ナシ」にされたい場合は追加費用が掛かります。お好みに応じて、節ナシの無垢材・塗装・塗り壁などへ変更する事が可能です。※一般住宅では屋根の構造面材が合板なので仕上げとならず、必然的に天井仕上げの費用が掛かっています)



今回は、節ナシの杉板を貼り、空いた構造面材との隙間に断熱を行う為、無駄の無い施工となります。勾配天井の仕上げを節ナシでご希望される際には、屋根のダブル断熱も併せますと効率的です。



普通は隠すべきトコロを、隠したくない!それが「TOCORONの家」なのですが、お好みに合わせてちょうど良く、ご家族にとって無駄のない、納得のいくご提案をしています。



標準仕様では下の写真のように構造材を見せており、この上に防湿気密シートを挟んで高性能の断熱材が乗っています。


(※実例写真:床下地と屋根下地の構造用無垢板(八溝杉)です。見える部分にはフシの少ない材料を使っています。標準仕様では写真のように構造材を見せており、この上に防湿気密シートを挟んで高性能の断熱材が乗っています。こちらの標準仕様でも十分に性能がありますのでご安心下さい。)


目を閉じれば見えるモノ

― 木に包まれる感覚 ―


TOCORONでは、目に見えて感じるモノ、目を閉じると感じられるモノ、両方とも大切に考えています。


職業柄か建築物を見学する際、目に見えるインテリアデザインはもちろん、建物の構造はなんだろう?どんな意図がこの設計にあるのだろう?どんな人達が作ったんだろう?と、目に見えないコト・モノにも興味が湧いてきて、想像するだけで楽しくなってしまいます。



お施主様にもご生活される時間の中で、見えないコト・モノを想像した時に「楽しく感じてほしい、嬉しくなりますように」と願っております。



そのためにも「TOCORONの家」では見えない部分にも無垢材を使用し、目を閉じたトキにも心から「木を身近に感じて欲しい」そんな想いを込めて家づくりをしています。


ご建築される際には、建築現場を沢山覗いて頂いて、目に見えないコト・モノを記憶に留めて頂けるように努めております。



(木下地工事・断熱工事・配線工事が作業がラップしながらも、チームワーク良く施工が進みます)



今回のブログを不慣れがら書いているとこの2年半を振り返り、また思い出した事があります。


「江曽島の家」のお施主様は、当初「断熱と気密性能が良ければ、見えない部分の材料はそこまで気にしない。」と構造面材は合板でとお考え頂いておりましたが、いつの間にか無垢材の仕様となっておりました。


コロナ禍もありご建築を延期されている間に「TOCORONの家づくり」をご体感され、「木の家」の良さを感じて頂けたのであれば幸いです。


他のご建築頂いているお客様からも「建築現場の木の量が想像以上だった」、「構造見学をしていなければ建築していなかった」と嬉しいような痺れるようなお言葉を戴いております。



これからご建築をご計画されている方々にも同じ様に「TOCORONの家」の「木の家づくり」を見て触って頂きご体感頂けるように、これからも完成見学会・構造見学を随時ご案内しております。


ご興味ある方は、お気軽にぜひお声掛け下さいませ(^^)



TOCORON


(古賀志山の檜)

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